2021アメリカ、ミセス・インターナショナル世界大会の通訳業務!日本人初のTOP16位入賞までの道のり

英会話

この夏、アメリカでのビューティーコンテスト「ミセス・インターナショナル」の通訳として、お仕事させていただいた。

これが、本当に濃くて学びが多い素晴らし体験だったので今日は、過去に通訳の仕事をしていたことがあったものの、本業ではない私が、

初めて世界大会へ出場する和嶋真以さんと組み、インタビューで高得点を取り、これまで日本人が誰も達成することができなかった、日本人初のTOP16位入賞を勝ち得るまで、の道のりを通訳の視点から書いてみます

ミセス・インターナショナルってどんな大会?!

アメリカではビューティーコンテストのことをページェント(Pageant)と言い、アメリカはページェント文化のある国で、300ほどの大会が存在します

ミセス・インターナショナルは、今既婚者のビューティーコンテストとして、日本でも注目されている大会で、アメリカでは40年以上の歴史ある国際的な大会です

出場者はアメリカの各州の代表が一人ずつ、アジア、ヨーロッパなどから数人ずつで構成されるインターナショナルな大会です

今年、日本からは4人の出場者が選ばれ、出場し、私はその中の一人である「ミセス・ジャパンインターナショナル2020」の和嶋真以さんから通訳を依頼され、参加しました

ミスコン、と聞くと、見た目重視の華やかな世界、というイメージがあるかもしれませんが、こちらのミセス・インターナショナルは、数あるページェントの中でも特にプラットフォーム(自分の社会貢献活動)重視の大会です


世界的な視点を持ち、社会貢献できる、真の女性のワールドリーダーを選ぶ、という大会の性質上、外見の美しさはもちろんのこと、それ以上に「中身」や「生き方」を問われるため、より審査が厳しい印象でした



審査は一次審査がフィットネスウェアでのウォーキング(25%)、イブニングドレスでのウォーキング(25%)、インタビュー(面接 50%)


一次審査を突破できたトップ16人だけが、ファイナルステージに進み、最終日の審査(再度ウォーキング審査、ステージ上での30秒スピーチ、ステージQuestion)を受けられる、というもの

私達は、グランプリを目標としていたため、一時審査の通過は当たり前、とはいえ、一次を通過しないとファイナルには進めないこと、一次審査の判定の50%を占めるのがインタビュー、ということを踏まえ、インタビュー審査を最優先して練習に挑みました


この一次審査の5割がインタビューで評価される、という点がおそらく、他のコンテストと大きく異なる点で、大会運営側がどれほど「社会貢献活動」や「人柄、(外見だけでなく)中身」を重視している、ということがわかるかと思います


一時審査の5割を占めるインタビュー(面接)の形、内容とは?形式?言語の壁!?


当日のインタビュー形式はジャッジ一人に対してコンテスタント(出場者+通訳)で行われ、インタビュー時間はたったの5 分!

ジャッジは5人いるため、5分のインタビュー×5セット行われました


聞かれる内容は、自己紹介、本人のプラットフォームについて、家族について、今後の活動など、「あなた自身」について問われる内容でした

一見、自分自身についてなので、ワールドニュースのようなトピックより答えやすいトピックのように思えるかもしれませんが

この答えを用意するのに、2021年の2月から、約半年間、何度も悩みながら膨大な時間をかけることになるのです

以下、時系列にやっていたことをまとめていきます

2021年2月~アメリカ人のステージコーチとのコーチング開始(日本にて)

2月から真以さんはアメリカのページェントのコーチングをしているJONIのレッスンを受け始めました

アメリカにはミスコン(ミセスコン)が数多くあるため、それらのコンテストで上位入賞を毎年出している実力のあるステージコーチをしている方がいます。今回コーチングしていただいたJONIもその一人。


真以さんと私は(通訳)彼女のコーチングを2月から、8月の大会直前まで毎週受けることになりました

このコーチングのメインがプラットフォーム(自分の社会貢献活動)の文章の作成


ここで浮上した最初の難関が、真以さんが言語化が苦手なタイプ、という事実でした



私は彼女を何年も前から知っていたので、彼女の凄さは、ある程度しっていたものの、アメリカのコーチに「自分のプラットフォームの紹介文を考えてみて」と言われ、仕上がった文章を読むと、全然響かない!全然凄さが伝わっていない!こんなのもったいなさすぎる!!!



これを、いかに彼女の素晴らしさをきちんと伝わるようにするため、サラッとした表現を掘り下げ、エピソードを一つ一つ聞き出し、言語化し、最適なストーリー選びをしていく、という作業が、ずっと続きました

振り返ると、この日本での事前準備の仕事で私がやっていたのはヒアリングと文章構成 8割英語の通訳練習 2割だったのでは、と思うくらい(笑)

結果的に、インタビューの評価がとても良かったのですが、この経験から、「単に日本語を英語に変換するのは簡単、でも、相手に響く伝え方をしたいなら、それ以外の部分に8割のエネルギーを注ぐことだ」、と思い知りました


最初の頃は、真以さんの発言の一言、一言に「なぜそう思うように至ったの?」「いつからそう思っていたの?」「どうしてそう思うの?」と、なぜ、を何度も繰り返し、私自身が納得がいくまで、何度も何度も彼女の過去や想いを深く深く掘り下げて、「日本語」でひたすら聞き取りをしていました


彼女はほんとうにさまざまな経験からくる独自のプロフェッショナルな思考が出来上がっていたので、何気ない一言を掘り下げていくたびに、名言の数々が飛び出てき、

彼女のエピソードや思考を掘り下げて聞くこの時間は私にとって、あらためて、彼女の凄さを再確認する、あらためて彼女に惚れ直す、そんなプロセスでした


そして、「どうしたら、この凄さがジャッジに正確に伝わるように言語化できるのだろう?」をいつも(毎日のように)考えていました

パーソナルトレーナーとして活躍する真以さんの口からサラッとでる、「健康で、笑顔でいることがあなたの愛する人への最大の愛情表現」、という言葉、にも、その裏にある、幼少期からの経験、ビジネスオーナーとして、数々の女性を変えてきた経歴があり、

クライアントさんが体以上に大きな変化をエクササイズを通して起こしていく過程にとても感動、共感し、本当にもっと多くの人に伝えたいな!と彼女の熱が伝染しました



この世界大会の通訳プロジェクトを始めてすぐのころ、自分の中で決めたことがありました

毎日妻として、二人の娘の母として、一人のビジネスオーナーとして多忙な生活をする傍ら、ミセス・インターナショナルの出場者としてさらに数多くの提出書類、作成物、を抱えながら、インタビューの準備にもめいっぱい奔走する真以さん



そんな多忙極める中で、1ミリも妥協せずに、必死にいつも走り続けていた彼女を見て、決めたことがあります


それは、どんなときも、最後まで、誰よりも、彼女以上に彼女のことを信じ続けること!


世界大会、という何もかもが初めてのことだらけで、必死に取り組むけれど、いつも正解がわからなくて、でも結果には迫られる、という状態


そんな本当に厳しいチャレンジに乗り込んでいくとき、自分なら、そばにいる人がどんな人だと、より力だせるかな?と、想像したら




自分以上に自分を信じてくれるひと!




と出てきました



だから、私は、その日から、大会が終わる日までずっと誰よりも(旦那さんにはかなわないけれど(笑))彼女を信じていこう、と決めました




因みに彼女はクールビューティー、私は感情が顔に出やすいタイプ。

機転がきき、どんな質問がきても、本番では顔に出さないタイプの彼女と、真以さんの言った内容にパッション込めて感情に訴える返しを(通訳)する私、は全く性格もキャラも違うからこそ、なかなかのチームワークの相性でした





3月~4月、単なるサポート通訳から「自分ごと」の大会、となったターニングポイント

インタビュー練習を開始してからぶつかった次の課題が「時間の短さ」でした

一人の審査員とのインタビュー時間はたったの5分!しかも、これは真以さんの日本語と私の英語の通訳を含んでの時間!

当然、アメリカ人やその他の通訳なし、で臨む出場者と比べたら、メッセージを伝える時間は半分になってしまいます


この状態を打開するため、これまではインタビューでは通訳がほとんど話し、出場者がほとんど発言しない、という形をとることもあったようです。


コーチとの相談の際、「日本語で話す時間は日本語を知らないジャッジには退屈なだけ。だから、せめてあらかじめ想定できる代表的な質問だけは、真以はなるべく少なく話し、マキが多く話す方法でいきなさい!」と言われその方法でやることに

(もちろん、絶対に聞かれるであろう、いくつかの質問にはその方法で対応できても、それ以外の質問には普通に通訳することになります)




でも、これ、冷静に考えるとすごいこと!

なんていったって、一次審査の50パーセントがインタビュー(面接)で決まり、その50%の中の半分以上の部分を通訳の私が担う、としたら、、、、それって、、、、合否を左右するのは、通訳としての自分、ということにも、なりなねないよな。。。。。!


と、すごいプレッシャーが一気に押し寄せてきました

とはいえ、それがベストな方法なのだとしたら、ハードルは高いけれど、ハードルの高さよりも、「より良い」方法を選びたい!
その一心でこの作戦でいくことに決めました


この時、真以さんに言われた

「二人で、一緒にグランプリを取りに行こう!」

という言葉が引き金となり、この日から、ミセス・インターナショナル世界大会はサポートではなく、完全に「自分の」大会になりました

自分が世界大会に出て、グランプリを目指すなんて機会は一生に一度かもしれない、見えない世界を見てみたい!ならば、オリンピックだと思って、どこまでできるか、試してやろう!

そう、決意!


とはいえ、この方法がものすごく労力を費やすものになるとは、このときは想像しきれていなかったのです(笑)


4月~5月、インタビュー(面接)通訳としての難関ポイント

この作戦で練習し始めて、一番大変だったのが、1文ずつの通訳ではなくて、まとめて通訳する、ということ


一文ずつ区切って訳すならば、聞いたものをそのまま日本語から英語に訳せばいいのですが、それだと話に勢いやリズムがのせにくいのでは?と判断し今回は「通訳と真以さんが一心同体となること」を最優先。

真以さんが一通りエピソードを話し、その内容を私が英語でまとめて一気に再現する、という方法をとりました

一文すつではなく、内容がまとまっているため、記憶力が求められる。そして、メモなし


その場で初に聞いたエピソードを、日本語の文法構造→英語の文法構造に組み立て直し、直訳すると、意味の通じない表現を他のフレーズ検索し、そのエピソード内で1番言いたい、伝えたい内容を1番濃く打ち出すことを集中して、口からだす、その間1 秒(待たせられない)、、



もちろんすべてのエピソード落とさずに、、とか、、、こ、、これは、、、、、かなり無理ゲー!、と早い段階で悟りました

そこで、思いたったのが

「相手の話を覚えていられないなら、私が彼女になりきってしまえばいい!」

という方法

とにかくどんな質問がきても、すぐに答えられるように、事前に真以さんから、彼女のエピソード、過去、現在、未来、価値観、想い、について知り尽くしておき、当日ひとこと聞けば、真以さんの脳内が私の脳内に再現されるかのように、私が話せるようになればよい、というもの



これを徹底するため、インタビュー練習では、毎回録画し、練習後には必ず書き起こし、英語で言いづらいフレーズがないかどうかチェック、

私が納得できない、理解できない発言があれば、ひたすら掘り下げて聴き込む→私のものにできるまで、を繰り返しました

そうして、インタビュー当日には1単語「母親」「鬼ダンス」などのキーワードを聞けば、そのエピソードや想いが動画で私の脳内にありありと再現され、話のイントロからオチ、エピソード内で主張したい想い、そのときの彼女の感情まで英文に込めて、口から「秒で」出せるようになっていました


このころ、「どうしても結果を出したい!」という彼女を見ながら、「どうしても結果を出させてあげたい!」という気持ちが大きくなり、

「通訳の仕事」としての範囲内でベストを尽くす、という概念から「結果を出すために必要な時間、ことは何か?必要なことならどれだけかかろうが、すべてやりつくす」という思考に変わっていました。

もはや【仕事】という概念をとっくに超えて、二人でダブルスの試合の、オリンピック出場する、設定に塗り替わっていました(笑)


5月~6月、ペラペライングリッシュは1000本ノック!

インタビュー(面接)では想定される質問がありました。自己紹介やら、プラットフォーム(社会貢献活動)について、今度の活動について、など。

これらは事前にある程度内容を用意できるため、この文章も何度も推敲を重ね、用意したものを、いつでもどこを聞かれても即座にこたえられるように練習しました


私は英会話は千本ノック、だと信じていて、なじみのない表現も、とりあえず100回練習したら、スムーズになるだろう、といつも信じています


なので、想定質問の3種類×100回の練習を自分でも実践。。。したところ、しばらく続けたところ、2週間ほどてスラスラになると同時に声をなくした(笑)

時期的に、仕事関係者にも心配され、人騒がせなことになったのは反省点でした


とはいえ、この練習のおかげで、話している最中に「英語」にフォーカスするのでなく、「パッション」をこめること、「感情」にフォーカスをおきながら話をすることが一気に容易になりました

世界大会のインタビューの参加者のほとんどはネイティブスピーカーです。

彼らがインタビュー中に「英語の表現」に迷ったり、「発音」に迷ったりすることはまずありません。

私たちが「外国からの参加者」だからといって、そこが考慮されるわけでもない、ならば、同じ土俵に立つ以外、突破の道はないわけです。


事前の真以さんとの話の中で、インタビュー(面接)ではきっと「プラットフォームの内容」以上に人柄や、コミュニケーションが見られるだろうね、と話していました。


だからこそ、経歴を間違いなく「日本語」から「英語」にするのではなく、それ以上に「パッション」「想い」「感情」をどれだけ伝えて、審査員の心を揺り動かせるか、どれだけ私たちのことを審査員に好きになってもらえるか、が重要だ、と思っていました


伝わる英語は当たり前、その先を伝えられてこそだ、と最初からそこを最重要視していたのは私と真以さんの共通認識でした



因みに、英語をパッション込めて、自信たっぷりに話すコツは、エピソードなら、ありありと、そのシーンを動画で脳内で再現すること、そして、その時の感情を味わいながら話すこと!(自分の意見、経験でも、他人の意見、経験でも)

この感覚を掴んでから、長いエピソードも一気に話しやすくなりました。

5月~7月、「恐怖のステージクエスチョン」と最強のチームワーク

一次審査のインタビューと、ウォーキング審査を通過し、仮にトップ16にのこれたらら、残れた人にだけ課されるのがステージQuestionとスピーチです


スピーチは事前に練習ができるのですが、1番の難関は、その後に続く、ニューストピックに関する質疑応答でした

因みに、ステージ上の通訳と、インタビューの通訳の内容が異なりすぎて、2つを受け持つのは、キャパシティオーバーすぎる、と悟り、真以さんには、ステージQuestionは別の通訳を採用してもらったのですが、


毎週のコーチングでは、ステージQuestionの内容も練習するし、ずっと伴走していたので、新たな通訳の方に、大会の趣旨、カラー、など含めてシェアできるのでステージQuestionの練習にもずっと参加していました


ステージQuestionはネイティブでもステージ上で泣いてしまう、と言われるくらい難易度が高いのですが、
何が難しいかと言うと、

その1,質問内容がアメリカのニューストピック=日本で普通に暮していると知らない話題が多すぎる。

現地に暮していれば、特に対策などしなくても、日常生活の中で入ってくる話題だし、そのたびに自分の意見も作られやすいけれど、逆に言えば、現地に暮していないと、追いきれない話題が多すぎる、という点



その2、自分の意見をつくる そもそも日本では、議論や意見を求められることは少ない、でも、ここでは、それぞれのニュースについての自分の意見を求められる、これも普段から考えていないと、パッと出すのは厳しい

その3、日本人としての自分の意見、を言うだけでは不十分。大会のグランプリになる、ということは、世界の女性リーダーとしての視点を求められる、日本という、アジアの中の1つの国にだけ通用する価値観、基準で物事をみていては通用しない。

世界のリーダーとして、その問題に対してどう取組むのか、どう思いますか?ということ


ここで、特に難しかったのが、銃、マリファナ、移民、などの、日本ではほとんどニュースとして取り上げられることのない話題


銃問題などは、あまりにも、日本の状況とかけ離れすぎているため、そのままいうと、「日本は平和でいいわよね」と言われてしまい、アメリカでの現状に見合っていない解答になってしまう=ジャッジの心に響かない



それを避けるために、、アメリカでは、これらの話題がどう取り上げられているのか、どういう反応なのか、それはなぜか?までを掘り下げて、理解していきました



ここで、大きな力を発揮してくれたのが、NY在住ステージクエスチョンの通訳担当のあつこさんでした



彼女はアメリカ在住が15年以上、現在は現地の企業で活躍されていて、最近のアメリカのニューストピックは日常生活のなかで日々触れている。


そんな彼女がチームに加わったことで、私や真以さんだけではとても手が届かないようなトピックや情報を大量に常に届けてくれました



具体的には、過去のニュースにさかのぼり、今年の質問に出そうなトピックを厳選し、予想し、それぞれのトピックに対する「ワールドリーダー」としての解答を一緒に模索してくれました



この読みが当日ファイナルステージでの質疑応答で大当たり!

ステージ上で出る質問のほとんどは、私たち3人で予想したトピックの連続でした!(唯一、私たちが予想していなかった質問が、真以さんの質問として、あたってしまうのですが。。。)



3人で通訳の練習をした回数もメッセンジャーでめぼしいニュースに関するやりとりをしたことも数え切れません。


1週間や2週間の短期決戦とは違い、長期で挑戦し続けなければならないこの準備期間、当然ながら、真以さんも私も、壁の大きさを目の当たりにし、少し落ち込みがちになるときもありました




が、3人で話していると、誰かがベストコンディションでなくとも、必ず誰かは元気で、励まし、そのおかげで、瞬時にそちらへチューニングしなおして、思考回路を「グランプリマインド」に再設定することができました


ニューストピックの情報も、精神面でも、二人、ではなく、3人でいれたことで、できることがぐっと大きく広がり、補強されたのを強く感じました。


(あつこさんは最終日の前日にテネシー入りしたのですが、ホテル到着するなり、挨拶もほぼなく、ステージクエスチョンの準備に直行!インタビューという仕事が終わった直後の私の気持ちも一気に引き締まりました(笑))


↑ホテル到着、5分以内に仕事にとりかかるあつこさん







7月、いよいよ大会開催地のテネシー州入り!インタビュー本番は?!


日本にいた6月ぐらいから毎日のようにインタビュー練習を繰り返し、7月には協力者をあおぎ、実際に対面で、椅子を用意し、入場から退場までの一連の流れも再現する練習を重ねました



面接官役も、日本語で面接経験が豊富な方にお願いしたり、ノンネイティブで英会話の講師をしている方や、日本語と英語の両方操れる方にその場で新たな質問もしてもらったり、NY在住のアメリカ人の友人に面接練習してもらったり、、ありとあらゆる形で練習を続けました



多くの人にインタビュー練習をしてもらい、多くの人にフィードバックをもらえばもらうほど、その都度、軸がぐらつきかけるのですが、(フィードバック内容が違うため)、

私と真以さんはともに「ステージコーチのJONIのアドバイスを最優先しよう!」というところが一致していたため、ブレを最小限にすることができました


テネシーでの一週間は今思いだしても、非常に濃い1週間でした。


出場者の人たちは一週間ずっと、リハーサルや屋外活動など、さまざまなスケジュールがあり、ほとんどまとまったインタビュー練習が取りづらい中での、練習、を重ねていました

テネシー入りしてからの一番の私自身の課題は、「マインドの設定」でした(長くなるので、この話はまた今度)

大会は1週間ほどかけて行われるのですが、長時間のフライトで時差もあるなか、到着し、その後慣れないスケジュールをこなす中で、(私は通訳なので、プログラムの一部しか参加しないものの)徐々に疲労がたまっていました



インタビューでの最優先は、何よりエネルギーアップし、自然な会話目指すこと!自分の伝えたいことを勝手にしゃべって終わる、のではなく、審査員とのリアルなコミュニケーションを楽しむこと!

それができれば、事前に用意し、伝えたいと思っていたことのたった1割しか言えなかったとしても、「成功だ!」というゴール設定が私たちの中で出来上がっていました


でも、時間がたつにつれ、時差で眠れない日々や、緊張もたかまり、体がつかれていくのにつれ、「楽しむ」余裕も「コミュニケーション」にフォーカスする余裕もなくなっていた、、、と気づいたのがインタビュー当日の最後の朝練習のとき!!!(笑)



ここから自分の精神状態を取り戻すことに集中しました。

いよいよインタビュー(面接)本番!!

インタビュー本番では、真以さんの本番に強さを目の当たりにしました!

事前にわからない質問だけ、私が英語に訳す、ということにしていたのですが、本番が始まったら、なんと6割くらいリアルタイムで理解されていて、私が質問の通訳するのは一部でした。

これ、私達史上初!の出来事です!

インタビューでは、すべてやってきたことを聞かれ、真以さんが日本語でまとめて答えて、私がまとめて英語で言う形。
言語は英語と日本語だったけれど、雰囲気は言語を飛び越えて、もう完全に3人でのお喋りに夢中、というか、言語が違う、という違和感なく、3人で1つの話に夢中になっていました。

3人がすごくうまく溶け合って、自然な会話の流れだったこと、ジャッジの表情や質問の流れから、本当にプラットフォームに心動かされてくれていること、本心から、興味を持って聞いてくれていること、が伝わってきて、インタビューに取り組んでいる最中からすごく嬉しかったです


真以さんも私もインタビュー中は特に、「二人でひとつ」として行動することを、練習の段階からずっとこころがけていました。

真以さんが「日本語」を話ている間は私も彼女の話に本気で聞き入り、その場で感じる感動を表情に出し、



真以さん自身は自分が「日本語」で話すときは「日本語」がジャッジに理解されない言語だからこそ、ものすごく「表情」を大げさに表現し、表情だけでも話の内容が想像できるくらいに話していました


そして、通訳の私が英語で話す際は、私のジェスチャーに合わせ、同じジェスチャーをしたり、私の英語のフレーズに反応し、リアクションをとったり、と、決して「どちらか一方のみが、単体で話している」と感じさせない空気感を作り上げていました



そのせいか、インタビュー中のジャッジはみな真以さんの「日本語」の際に彼女の表情をジッと見ていましたし、その直後の感情のこもった通訳の英語をきき、その一体感は半端なかったのでは、と想像します

(実際に大会直前の最後のコーチングで、コーチとゲストサポーターのお二人から、「二人いるけど、一人の人間にしか見えない」というコメントをいただいていました)

因みに、あんなに練習していた「時短」のため、真以さんが短い日本語で答え、私が長く答える、という質問は、、蓋をあけたら1つも聞かれませんでした(笑)



もちろん、その中のいくつかの要素を聞かれることはあったものの、インタビュー中にも、「今、この人の前でこの場の空気感の中で用意してきたものを述べるのは、、マッチしないかも。。」と察知し、


結局、「目の前の一人の人間(審査員)」に集中し、彼らとの「会話を楽しむ」ことに流れを根底からもっていきました



つまり、「時短テクニック」を本番インタビューで使用したのは0回!
結果的に、すべて、真以さんが彼女の言葉でリアルタイムに語ったものを、彼女の「想い、背景」が正確に伝わるように私がその場で編集し、即答する、スタイルで通しました

日本人初!のTOP16位入賞!!!という歴史的な結果に!!!

一次審査がすべて終わったときから、「絶対に通っている!」と確信し、その瞬間から、すぐにファイナルの質疑応答の対策練習へとフォーカスしていきました。

とはいえ、ステージの上で大会最終日のはじまりに、TOP16位の中に真以さんの名前が呼ばれたときは、本当に嬉しくて、心が震えました。



大会すべてを見終わり、真以さんの一連の戦いを目の当たりにし、一番感じたことは、「どんなことでも、これだけ頑張ってチャレンジしたら、なんだって叶う!かなわないことはないんだ!」ということ



上位入賞に残った人たちはみな本当に素晴らしい人達でした

一見、華やかにだけ見える世界ですが、それまでのかぞえきれないほどのチャレンジとそこへ1ミリも妥協することなく、行動していく力はものすごかったです。

その中で、たった一人の熱と想いが周囲を巻き込み、伝染し、多くのひとたちの協力を得ながら、一人の夢がサポーター達の夢にもなっていっている過程は目を見張るものがありました



どんな場所でも、自分が自分の夢に向かって精一杯生きる、チャレンジすることで(それがどんなチャレンジであろうと)、もう、それだけで、それがその人を知る多くの人にプラスの影響を与える、社会貢献になっていくんだな、ということを体で実感しました




世界大会の「通訳」というお仕事でしたが、実際に関わってみて、単なる「通訳」という枠を超えた大きな体験と数多くの学び、発見をさせていただきました



全米から集まるエネルギー高い人達との出会いも非常に貴重でした。大会後に上位5位に入賞した方とズームで何度かお話させていただく機会に恵まれたのですが、top5位に選ばれた人達は誰もが納得の人達で、そういう人達の思考やマインドに触れられたのは、本当に有り難いことでした

そして、最後に今回の話はあくまで通訳の部分だけ、ですが、結果に至ったのは、何より真以さん自身が努力し続けたから、に他なりません。

アメリカ基準の美しさにアップデート、コミュニケーション、どんなにハードルの高さを突き付けられても、決っして落ちきることなく、何度も立ち上がり続けた精神の強さ、ウォーキング、SNS投稿、提出書類の数々まで、全方位に渡って果敢にチャレンジし続けた、その結果なのです




真以さん、本当におめでとうございます!

最高の夏をありがとう!!!

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