NY式ENGLISHのMAKIです
先月無事、日本に帰国しました
NYに暮らしていた時、たくさんの駐在員の人に出会いました
職業柄、「どうやって英語を勉強したらいいですか?」と相談されることが多く、彼らの状況を詳しく聞けば聞くほどその辛さが伝わってきた
日本から来た駐在員で、英語で困っている人達のほとんどが、「高学歴」(東大卒、京大、慶応卒など)、「高成績」で日本での英語学習にはこまったことがない、むしろ「英語は得意」とこれまで信じてきた人たち
それが、現地にいざ来てみたら、、、レストランでオーダーひとつできない、ストリートのデリ(コンビ二のような店)でレジの人と一言交わすだけでもひやひや、苦労している、のです
レストランで「サラダ」をオーダーしたら、聞き返されて、「サラダの一言さえ通じないのか?」
トイレを探して、”Where is the restroom?”と聞いたら、RESTROOMの発音が通じない
さらに、同僚に週末何してた?と何気ない会話を振られ、NBAの試合を観にいったばかりだったので、「初めてNBA観に行ったんです」と言おうとして、笑顔でIt was my first time..と話したところ、?という顔をされて会話が止まった
文字に書いて、確認してみたら、「君の発音はFASTにしか聞こえない、混乱した」、とのこと
こんなことが何度も繰り返されるうちに、完全に心折れてしまった、とのこと
本人いわく
、「まさかここまで自分の英語が通じないとは思ってもみなかった」とのこと
赴任そうそう、慣れない土地で慣れない人間関係に囲まれ、仕事だけでも大変なのに、日常生活のすべてのシーンに関与する英語が想像以上に通じない、となると、心が折れるのも時間の問題
一体なぜこんなことになるの?!!
彼らが口をそろえて言うのは
「1:1の仕事はなんとかなる。でもネイティブ同士の会話が始まったり、何気ない日常会話になるともうお手上げ」
「何言ってるのか聞けない!正しい文を言っても通じないんだ」
どうしてこんなことが起きるのでしょう?
そもそも、わたしたちは「リスニング」「スピーキング」をどれだけ学んでいきたのでしょう?
私自身、数年前まで中高の講師をしていたので、わかるのですが、最近の中学生の英語の授業はすこしずつ変わってきています
教科書にネイティブらしい音が聞こえる問題がついていたり、学校によってはネイティブとのオンライン英会話(1:1)を週に一度導入していたり
でも、現在アラサー、30代、40代、それ以上のの大人たちは、学校の英語教育で「リスニング」「スピーキング」を学ぶ機会はほぼなかった
センターでリスニングがある、学校でリスニングの授業があった、という人でも、リスニングに費やした時間は全体の1割程度
しかもその1割のリスニングは試験用にきれいな発音で、一定のスピードで話された「試験用リスニング」
生身のネイティブが、日常生活でパっ、と声かけてくる「リアルな英語」とはかけ離れたものだったわけです
もうね、圧倒的に音声に触れる時間が少ないんですよ!
そりゃあ聞けなくて当然だし、ましてや話せなくて当然!
だって、自分の発音の一つ一つの子音や母音レベルで、個別にチェックして、「正しい音」が言えてるか、見てくれる授業なんてありました?
そもそも英語の先生たちだってそんな授業うけたことがないんだもの、無理ですよね
でも、実際の現地でのやりとり、生活、ネイティブとのオンライン会議、ではそこが問われる
そりゃ、苦労するはず、心も折れて当然
特にこれまで日本で英語が得意、だった人ほど、このショックが大きく、現地で元気をなくしていく人も。。(そして行動範囲も人間関係も縮小していく、悪循環)
もしも、今、あなたがそんな状況だったら、(少しでも共感するなら)信じてほしい
「大丈夫!これまでの方法が間違っていただけだから!絶対変えられるから!」
現状位置を正しく把握したら、あとはこれまでの英語学習で圧倒的に足りなかった部分を足していけば、必ず変化は訪れます
だけど、なぜか、ここで多くの人は「自分の英語が通じないのは単語力がないからじゃないか?」とduoの単語帖とかひっぱってきて、ひたすらそれを覚えようと努力する。。。。。
声を大にして叫びたい!!!!
努力の方向がまちがってるよ~!!!!!!!!!!
現地での生活、ネイティブとのリアルな会話、ミーティング、で困っているなら、
それは「リスニング」と「スピーキング」
でつまづいているのであって、
単語力でも文法力でもないんです(もちろん、そこが足りないケースもありますが)
何より重要なのは「音に対する訓練」
聞き取る、のも、話すのも、「正しい音」を認識するところから、がスタート!です
では、どうやって「正しい音」をインストールしていけばいいのか??
解決方法その①
「リアルな音と文字を一致させる訓練」をする (ディクテーション)
多くの「聞こえない!」問題は単語を知らないのではありません。文字にしてみたら、簡単な中学1年生の英語、だった、なんてこともしばしば。なのに、聞き取れないんです。なぜか?
私たち大人は英語のスペルを見て、音を想像しているのですが、ほとんどの人は、その「想像している音」=「思い込みの音」が間違っているからです
まずはこちらを聞いてみて下さい。なんていってるのか、聞き取れるますか?
聞き取れましたか??
Why ( )( ) ( ) ( ) what time it was?
正解は
”Why did you ask them what time it was?”
文字の、did you は「ディド ユー」ではなく、「ディッジュー」だろうな、と思いました?
実は、ネイティブが発音する際、これがさらに省略音に変化して、
[ju]という音になることが多いのです!
did you の2語が/ju/ですよ!!?
さらに、ask them のthem は音が変化して/em/だけ発音されることが多い
つまり、Why did you ask them?は実際には/ whyju askem/ という音になっている
にもかかわらず、「did you =ディッジュー」でしょう、と思っていると、何度/ju/を聞いても did you と結びつかず、結果、何回聞いても「聞こえない!」「わからない!」になってしますのです
でも、たった一度でも/ju/がdid youの音になる、と耳と口と使って体で学んでいたら、
その後どこで、どんな場面でどんな文章の組み合わせで出てきても、確実に「did you」が聞き取れるようになるんです
間違った音の先入観で、「聞こえない!?」が多発する
ネイティブのリアルな英語は音がくっついたり、消えたり、新たに変化したり、と音声変化がたくさん!
これを知らないと、いつまでたっても、「試験用のきれいな発音」「辞書の中のクリアな発音」ばかり探してしまい、リアルに対応できません
ではどうやって、訓練するのか?
おすすめは聞き書き(ディクテーション)
やりかた
1,短い音声(15秒~30秒程度でOK)を用意する(ドラマのワンシーンでも、youtubeの有名人のインタビュー動画でも、ニュースでも何でもOK。ただし、英文がついているもの(動画なら、英語字幕があるもの)を選ぶこと!←ここ一番大事!)
2 短い音声を一文ずつ止め、聞き返しては、聞き取れた部分を書き取り、を3-4回繰り返す
3 答え合わせをする
聞き取れなかった箇所は赤ぺンで書き足す
4 赤ペンの入った箇所が「実際はどんな音だったのか!?」を再度音声を聞きながら確認する(←このプロセスが肝!)
5 英文をみながら、音声を聞こえたように、自分の口で発音してみる
以上です!
これ、ネイティブとの会話に困っている人にも、TOEICリスニング上げたい人にも、非常に効果的な方法です
4のプロセスが一番重要で、ここで、自分の想定していた音、と実際の音と文字を一致させることがブレイクスルーに直結します
因みに去年、うちの英会話講座を受けた生徒さんは受講1か月くらいで、「ネイティブとのzoomミーティングの会話で、これまで聞こえなかった音、「ないと思っていた音」が聞こえるようになりました!」と言っており、3か月後にはミーティングを聞く側、からミーティングをリードする側へ!
自分がリアルな英語の音が聞こえているのか、聞こえていないのか、チェックしたい方はよかったらこちら↓
最近インスタの音声クイズが好評です→ https://www.instagram.com/maki_nyenglish/?hl=ja
長くなってきたので、解決方法その②については次回の記事でシェアさせていただきます